Apr 30, 2016

栗毛とまじめな親父は親和性が低い

栗毛構成員の武田です。

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長きにわたって連載してきました、秋田道中膝栗毛も今回でラスト、いよいよ最終目的地・秋田編です。この記事、2015年12月31日特急あずさ7号の車内で着物を着て書いているので、ちょうど丸1年かかったわけでやんす(ここからさらに4か月経ってやっと公開なわけでやんす)。今回の年越しの模様もブログで配信していくので、2016年もよろしくでやんす。

何でこんなに時間がかかったのかと言いますと、最終目的地は私の実家。
実家のことをこんな下品なブログには書きたくないのが当然ですね。

そして実家に栗毛として帰るにあたって問題が一つ、父の存在です。
私は幼少期、なぜかちんちんの付け根がかぶれることが多く、しょっちゅうちんちんを掻いていたのですが、父の目の前でちんちんを掻きむしっていたところ、普段は寡黙な父が私にこう言いました。

「ちんちんを掻くんじゃない!!」

その時の父は不動明王のごとく憤怒に満ちた表情で、私は泣いて謝り、それ以来こっそりとちんちんを掻くようになったことを覚えています。

会社の自分の部屋のドアに「全自動手動ドア」というステッカーを貼ったりと意味不明なユーモアで周りの人をポカンとさせている私の父ですが、こと下ネタについては非常に厳格なのです。

これは栗毛にとってはゆゆしき事態。下ネタがなければ栗毛の魅力80%減なのは皆さんご存知の通りです。果たして父が栗毛の下ネタを完封するのか、それとも栗毛は厳格な父をものともせず、普段通りの軽妙なお下劣トークを炸裂させるのか、血で血を洗うデスマッチの予感です。

さて、武田家に突入すると、「いらっしゃい、よく来たねー」と出迎えてくれる母。割と母は愛想が良いので、実の息子が名古屋から車で謎の着物集団の一員として帰ってきたことも気にしてない様子だ。還暦を目前にそれはそれで問題なのだが。

そして、父。

「こんばんは。」

と言葉は少ないが雰囲気は歓迎ムードである。しかし、ここから先は完全に父のペース。料理が趣味の父が繰り出す手作りディナーは、アワビ、ステーキ、朝から仕込んでいたきりたんぽ鍋…と、だし汁と水溶き片栗粉でかさ増ししたカレーをうめぇうめぇと言って食べている栗毛の旅ではちょっとお目にかかれないものばかりが次々出てくる。

さらに、「君たちは日本酒は飲めるかな?これは酒蔵が品評会に出すやつを少し譲ってもらったんだけど」、「これは毎年酒好きの奴が幻の酒だって送ってくるんだ。私はあまり好きじゃないけど辛口淡麗が好きならどうぞ。」等々、何かよくわからない酒を次々出してくる。しかも全部めちゃめちゃ美味い。

そうです、僕はボンボンだったのです。

初老の父の怒涛のもてなしにすっかり恐縮した栗毛、父の話に、「あ、そうですね、ウフフ」と相づちを打つばかりで結局とても下ネタを話せる雰囲気では無かったでやんす。

こうしてしっぽりと幕を下ろした秋田道中膝栗毛、厳格な親父に弱いあたりも完全に中学生男子の頃から変わって無いでやんす、トホホ〜 (トゥーイ!)

記事を書いた人
武田
武田
大人の事情により、しばらく栗毛経理部長。 学生時代から片鱗を見せていた仏教の才能が最近開花。栗毛とは関係ないプライベートの友人と京都旅行に行った際に阿弥陀如来の魅力を熱く語り、交友関係に心地の良い壁ができた。「お師匠言えるかな?」の作詞、某仏教アイドルのプロデュース等、ナウい仏教の振興に尽力している。

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