佐島「汐見の家」-ぼくらは島と-
こんにちは、季刊栗毛編集部の宗平です。
今年の夏(佐島道中膝栗毛)にも訪れた汐見の家ですが、栗毛にとってのそのルーツは2014年末から2015年始にかけて行った秋田道中膝栗毛にさかのぼります。
今回は今更ではありますすが、その様子について紹介させていただきます。
仕事納めの翌日。
オール明けでこれから帰路につく人と、冬休みか旅行鞄を持った人が混じる東京駅。
栗毛の年末年始着物の旅が始まる。
まだ日が昇る前の東京駅
最終的な目的地がわからないまま、栗毛の旅は始まった。
とりあえず新幹線で名古屋まで行くが、その後は広島あたりに行くという話しか覚えていなかった。
名古屋では、今回の旅にゲストとして一晩をともにする縁側ちゃんと合流。
ここからは車移動。
目的地はどうやら愛媛らしい。
広島ではなく、瀬戸内海の佐島という島だった。
島違いである。
目的地の愛媛まで、400km以上。
名古屋、京都、大阪、尾道。観光地はことごとくスルーし、瀬戸内海に入る。
“島”に泊まるのは初めてだった。
宿がある佐島は本州とは直接つながっていない。
因島(広島県)からフェリーで生名島(愛媛県)に渡り、そこから橋を通って佐島に入る。
フェリーの甲板の上で感じる風、海の匂い、夕日に染まる静かな内海と島々。
宿への期待は高まっていった。
「汐見の家」は2015年の秋にオープン予定のゲストハウスらしい。
とある縁があり、栗毛代表取乱役のカズキタカノがオープン前のこの宿に泊まる話を取り付けたらしい(佐島から秋田へ。参照)。
宿から徒歩1分のところはもう海で。
小さな港からは、島々の間に沈んでいく夕陽が見える。
着物が珍しいらしく、地元の釣り人に何かの撮影と間違えられる。
確かに、映画の撮影にはもってこいのロケーションではある。
オープン前の宿に泊まるのも初めての経験だった。
さらに実際はむしろ、「オープン前の宿に泊まる」というよりも「オープンの準備をする」という要素も大きかった。
到着してすぐに、畳の拭き掃除や別の宿泊施設からの布団の搬入などを行う。
オープン前でお湯が出なく、風呂が使えないということには驚いた(オープン時にはもちろんお湯は使えるようになり、五右衛門風呂や井戸も復活させるらしい)。
そういうわけで、一仕事を終えての入浴と食事はさらに隣の島に渡ることになる。
弓削島にあるホテルは都内の銭湯の三倍はきれいだったので文句はなかった。
食事は同じく弓削島の居酒屋、大黒丸。漁師の店で、魚がとにかくうまい。
そのせいでいつも少食なメンバーがバクバク刺身を食う。
もっと食べたかった。
お店の女将さんも気さくな人で、本州から来た僕らを温かく迎えてくれた。
ちなみにポニョの舞台になったところの近くらしく、宮崎駿も来たらしい。
映画のロケーションとしてもぴったりだとは思ったが、すでに映画になっていたとは。
さすが世界のハヤオでやんす。
トホホ。
壁にはハヤオのサインが
なお、送り迎えはすべて宿オーナーの暢子さん。
ありがたい。
夕日が落ち、島の景色が変わる。
一日の締めくくりに、夜の散歩。
電気の少ない近くの小学校まで歩く。
見上げると、星だ。
満天の星と、汐の気配に包まれながら、島の一日が終わる。
汐見の家の由来、その他については「しまなみ佐島 汐見の家」をご覧ください。