知多半島「ほどほど」 ―ほどほどの贅沢―
ネギトロ教師、小川の初投稿です。
湯呑みでも片手に、どうぞお付き合いください。
古民家ゲストハウス巡りをしながら日本を横断したり縦断したりするのが、我々栗毛の年末年始の風物詩となっている。この時期になると、把握しきれないくらいのLINEグループが乱立する。少し目を話すとトークの未読が3桁に、なんてことは日常茶飯事だ。その場にいなくても栗毛の動向や流行をチェックできる良さがあるが、通知の音で眠れなかったり、グループを間違えて投稿してしまったりと冷や汗をかくこともしばしばである。
今回お世話になったのは、愛知県は知多半島にある、「ほどほど」さん。
海の香り漂う、長閑な田舎の街並みの中に溶け込むように佇んでいる。冬でも心暖まるゲストハウスである。
ところで、パンダ号をご存知だろうか。青森県民には有名な、5000円で青森―東京間を移動できる夜行観光バスである。
その価格は、新幹線に比べると格安とさえ言えるほどの料金設定だけあって、移動には相当の覚悟と体力を要する。そのため、敬遠する若者も多い中、そのパンダ号に乗ってゲストハウス巡りをする強靭な肉体と精神を持つ男と、我々は「ほどほど」で出会う。かの有名なジムリーダー「タケシ」を思わせるあのオーラと、私と同じ故郷をもつ人と出逢った偶然の驚きを、今でも忘れることができない。
タケシは、最近目の治療をしたとかで、ほとんど目を開けられないで過ごしていたようだった。目で見えなくても、人と話したり、味や雰囲気を感じたりできるから旅って楽しい。そんなことを考えるきっかけになったと、彼は目薬を片手に話していた。能動的に動いていろんなことを自分から体験したり感じたりしに行くことって大事だなぁと共感して、私は2015年のモットーを「能動的一年間」に決めた、というのは内緒の話。
「ほどほど」の居間は、その時偶然居合わせた人の縁によって、その雰囲気を毎日変えてゆく、素敵な空間だった。そこでは、都会の喧騒を忘れさせるゆるやかな時間が流れる。そのとき集まった旅人が持ち寄るお土産と、近所の「まるは寿司」の握りを肴に呑む酒は実に旨い。(ちなみに栗毛にも、サビ抜きしか食べられないお子ちゃまがいるのでやんす~。テューーイッ)
タケシは一番奥。
栗毛からは、広島で購入した牡蠣のオイル漬けを献上。
飛脚のお仕事も引き受けました。縁と縁を繋ぎます(ちなみに円は生まれませんでした)。
ほろ酔いの体を布団に横たえて、次の日の旅に備える夜の時間こそ、「ほどほど」の贅沢と言えるのではないだろうか。ダイエットは明日からにしよう。
あれ、明日は何百キロ移動するんだったっけ。
トホホ~。