はじめての着物、どこで買う?(男性編)
こんにちは。
代表取乱役のカズキタです。
2016年も栗毛をどうぞよろしくお願いします!
今年も栗毛一行は、年末から年始にかけて恒例の「着物でゲストハウス巡り」をしてました!詳しくはまた別な記事で書きたいと思いますが、そんな旅の道中で印象的なことがあったので、今回はそれに関連して記事を書こうと思います。
僕らが着物で旅をしていると、その姿に興味を持ってくれる人たちがたくさんいて、そんな人たちからこんなことを相談されたんですよ。
「着物かっこいいっすね!僕も着物着たいんだけど、どこで買ったらいいのか教えてくれない?」
「着物って高いんでしょ・・?うちにもあるけど、立派すぎて着れないかなぁ。」
そうですよね。
着物を着たいと思っても、周りで着物を着てる人は、着物が必要な趣味や仕事をしている人か、あるいは成人式や特別な日に着るという光景しか見ないためそういうシーンでしか着物は着てはいけない、そう思い込むのも無理はないと思います。
しかし、僕らが着ている着物はもっと普段着に近くて、値段もそこそこリーズナブル(例えるなら、オーダーではなく、量販店で出来合いのスーツを買うようなイメージ)なものなんですよ。
今回は、こんなみなさんの疑問にお答えすべく、この12月に出会った「初めての着物を買いたい!」というちんくんを引き連れ着物を買いに行きましたので、その様子をお伝えしようと思います!
着物の買い方第一弾、男性編でお送りしますよー!
まず、着物についての基本的な情報を整理しておきましょう。
「着物」を着るためにどのようなアイテムが必要かを、まずは簡単に説明しますね。
ちなみに、男性と女性では構成がちょっと変わるので注意してくださいね。
いわゆる着物と呼ばれている服装は、長襦袢、着物(長着)、羽織という三層の衣があり、さらに長襦袢を留めるための腰紐が1本、着物を留めるための紐が1本とそれを飾るための帯が1本、そして羽織を留める羽織紐。ここまでで1セットになりますよ、スーツで言うと、スラックス、シャツ、ネクタイ、ベルト、ジャケット、といったところですね。さらに足元を固めるならば、足袋と雪駄ですね。僕は雪駄の代わりにブーツを履いていますよ。
図で表すとこんな感じ。
また、着物は大きく2つの買い方があります。
仕立てるか、リサイクル着物を買うか、です。
仕立ては言わずもがな、お店で生地を選んで採寸をして着物を作ってもらうことですね。値段は高くなりますが、一生使えるような着物を手に入れることができます。男物だと、現代的で価格帯も少し抑えたお店なども最近出てきてはいますが、おおよそ着物(長着)だけで10万円以上、羽織や襦袢を合わせると30万円以上の出費となるかなー、という感じです。もちろん、もっと安いものもありますよ。
一方、リサイクル着物というのはいわゆる古着のことです。今、出回っているものは、主に昭和期に着られていた着物を、買い取りして再び市場に流通させています。こちらは、着物で8000円〜15000円程度。セットで2〜3万ぐらいで揃います。仕立てよりもかなりお手頃な値段になる上に、普段着使いするには質の問題もなく、逆に多少汚れても気にならないというメリットもありますね!
ただし、古着ということで、昔の日本人は背丈が低かったこともあり170cm以上の身長の場合は、極端に選べる着物の種類が少なくなってしまいます。180cm以上の方はほぼ皆無といってもいいでしょう。(ちなみに180cm以上の着物は、船橋の三笠屋さんに行けば見つかるかもしれません。)
今回は、はじめての着物ということもあり、リサイクル着物で予算が1万円〜3万円というボリューム感で帰るお店を中心に回ろうと思います!
素材は、絹(紬)やウールが一般的ですね。夏用では麻なんかもあります。
洗濯は自宅でできるものもありますが、僕は京都の奥津洗濯教室さんにお願いしています。
さぁ、こんなところが着物の概要になります。
着付けは男性であれば適当でもほとんど問題ないです。
必要なのは帯の締め方。これはYoutubeで調べてきちんと覚えましょう、一回覚えればそんなに難しくはないです。
襦袢の中には、UNIQLOのヒートテックを着れば十分ですね。必要に応じてマントやとんびコートを上から羽織ると尚暖かいでしょう。着物は寒いとか暑いとか色々言われますが、機能性の衣類をうまく活用することが、現代の着物の着こなしのポイントだと思います!NO ヒートテック NO 着物です!
それでは、お店に向かいます。
ここで重要なことですが、着物は必ずお店で試着をするべきということ。
男性ものの着物は、必ず着丈が自分に合っている必要があるんですね。
女性の場合はお端折りと呼ばれる、丈の長さを調整する工程が着付けの段階であるのですが、男性にはありません。そのため、自分の丈にぴったり合った着物を手に入れる必要がありますので、必ずお店で着てみて丈が合うものを選びましょう。逆に言うと、どんなに気に入っても丈が合わなければその着物は着れないということです、注意しましょう。
さて、向かった場所は浅草。
銀座線の6番出口から出るのが栗毛推奨ルートになります。
なぜなら、改札口をすぐ出て左側に伸びる謎の地下街があるからです。
地下街に入ったところすぐにある焼きそば屋「福ちゃん」。
ここで焼きそばをまずは一口食べてみましょう。
確か350円ぐらいだったと思います。
まず、ここで焼きそばを食べることで煩悩を振りほどきましょう。
煩悩がある状態で浅草に突入するのは危険です。
体が欲して無いものを食べたり、買ったりしてしまうためです。
そう、だから焼きそばを食べましょうね。
僕らが買いたいのは着物です。人形焼でも揚げ饅頭でもありませんからね!
ちなみに青のりとマヨネーズはお好みでかけ放題です!
福ちゃん
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13022914/
東京都台東区浅草1-1-12 浅草地下街
さぁ、地下街をずんずん進みますよ〜。
焼きそば以外は特に見るべきものは無いでヤンス。
そして、6番出口から地上へ。
今回の着物さがし、最初に向かったのは福服さんです。
福服さんは、「日本一敷居の低い着物屋」を名乗っておりますが、侮るなかれ栗毛の旅には適切な着物が揃っております。こちらのお店では、羽織と着物はアンサンブルではなく自分で組み合わせて買うことになります。安いもので着物が8000円程度、羽織は2000円程度ですので、全て揃えても15000円ぐらいで済みます。ただし、どうしても背丈が身長165cm程の方向けのものが多いという点と、色は紺系の色が中心になってしまいます。
しかし、福服では女性もののアンティーク着物(大正期〜昭和初期?)を男性ものに仕立て直して売っているものもあります。他の人とはちょっと違う着物を手に入れたい場合にオススメです。
浅草は、試着目的で着物を着た写真を撮る人も多く、お店の人に迷惑がかかるといけないので店内の写真はありません、悪しからず。ですので、品揃えはご自身の目で判断していただきましょう!僕はここの女性ものの着物が、小紋などあって好きですね。店員さんも着物が似合う素敵な女性です。
ちなみに、お店の入り口は焼肉屋さんの方が目立ってますが、こちらのビルの3Fです。
福服さんは、新宿、神楽坂、赤坂、川越にも店舗があるようですよ。
お近くの福服を覗いてみてはいかがでしょうか?
福服
http://www.rakuten.co.jp/fukukimono/
東京都台東区浅草1-33-3武石ビル3階
さぁ、次のお店に向かいますよ。
小さい路地に目を向けると、面白そうなお店が。
どうやら、浅草は着物屋さんの他にこういったステージドレス屋さんも多くあるみたい。
お店に入ろうとしたけど、本気の奥様方が込み入ってたのでそっと離れました。
いつかマダムと遊ぶ日が来たらここに連れて来たいと思います。
さて次は、たんす屋さん。
たんす屋さんは、おそらく浅草では最大勢力のリサイクル着物屋さんです。
なんと、浅草だけでも7店舗もありお店を探そうとしなくてもいつの間にか目の前にたんす屋が現れるぐらいのエンカウント率ですよ。
お店によって品揃えや方向性が異なるのが特長です。
リサイクル着物が定番ですが、思いっきり安いものから少し高級なものまで様々です。
特に僕がオススメするのは、浅草公会堂前店です。
こちらのたんす屋さんの店舗は、リサイクル着物では価格帯は高い部類ですが、質が抜群に良いものが多いです。生地の色も紺系だけでなく、ウグイス色や茶色、生地も小千谷縮の高級品などもあります。着物だけでなく、とんびコートなどの上着もあります。
店員さんも優しいので、気軽に立ち寄って試着してみてはいかがでしょうか。
たんす屋浅草公会堂前店
http://tansuya.jp/index.html
東京都台東区浅草1-39-15
近くには、オールデニムの着物屋さんもありましたよ。
デニマーには超おすすめですが、栗毛的には割愛します。
小腹も空いてきたところで、肉まんの店を発見。
しかも、かっぱの肉だって?
店員さんに武田が聞いてみた。
これは何の肉なんですか?
河童だよ!この近くで取れたやつ!
まじか!このあたりで河童が取れるとは知りませんでしたね。
浅草のポテンシャルを思い知りながらも、肉まんを食べてみると‥。
どこかで食べた味の肉でやんす‥。
河童の肉かどうかはみなさんの舌で判断していただくとして、次のお店に向かいますよ。
かっぱ村粋品店
http://kappamura.com
東京都台東区浅草1-39-11
次に向かったのは、ちどり屋さん。
こちらのお店はなんと、男性用着物専門店です!
着物屋さんは女性が多くて恥ずかしい、リア充が溢れてそうで怖い、、そんなイメージをお持ちの方でも安心してください!
価格帯は非常に幅広いです。リサイクル品も新品も反物も取り揃えてます。
お店の敷地は狭いですが、男性専門店としては十分な品揃えですね!
初心者向けには、襦袢と着物(長着)、羽織がセットになったアンサンブルが25000円〜40000円程度で取り扱ってます。
買い方のポイントは、店員さんに身長と予算をさくっと伝えることですね。
身長を伝えると、着丈の合う着物が絞り込まれますので、その中から自分の気にいったものを選ぶという感じです。他のお店でも共通しているのですが、男の着物選びは着丈から始まります!
もうちょっと正確に言うと、
予算→着丈→柄・生地
の順で選ぶことになります。
今回は、着丈を伝えると紺色系のものをいくつか用意してくれました。
リサイクル着物のデメリットとしては、色が紺色系のものが多いことですね。昔の男着物の定番は紺色だったんでしょうかねぇ。
他人とは少し違うものを着たい、そういう思いもあるかもしれませんが、ここはまずスタンダードな紺色の着物を買うことをおすすめします!紺系でまずは揃えて、それから羽織や襦袢で遊んでいくというのが着物の正しい着こなし方だと思います!
そして紺色は日本男子にとても似合うと僕は思いますよ。
まずは、定番を押さえましょう!
と、いうわけでちんくんも今回はちどり屋さんで紺系のリサイクル着物をお買い上げでした!
今後の彼の着物姿に注目です!
ちどり屋
http://www.omairimachi.jp/shop/11/weblog.cgi
東京都台東区浅草2-3-24
また、今回は時間の都合で訪問できませんでしたが浅草寺の傍にある、浅草七変化というお店もオススメです。僕の着物はこちらで入手しました。価格帯は15000円〜30000円ぐらいでしょうかね。こちらも店員さんにサイズと予算を伝えれば、すぐに試着もできると思いますよ。
浅草七変化
http://www.asakusa-7henge.com
東京都台東区 浅草2丁目29−21
浅草をそのままぶらぶら歩いていると、昼間っから満席の大衆居酒屋が10店舗ほどあるゾーンに突入!
どうやらこの通りは、通称「浅草ホッピー通り」と呼ばれる場所で、昼間からお酒を飲みまくれる酒飲み天国のようですね。
値段も安く、大衆居酒屋の定番メニューが豊富です。
ぼくらもおでんを売ってる店に入って一服。
着物を買うといいつつも、食ってる時間の方が長かったような気もしますね!
それが浅草という町の魅力でもあります。みなさんも、着物を買いながら浅草のこじゃれてない飲食店をはしごしてみてはいかがでしょうか?きっと新しい出会いがあると思います。
浅草寺はライトアップが始まった瞬間が一番美しいかな。
夕日と照明に照らされて、塔と銀杏がその立体感を増します。
はじめての着物の買い方、いかがでしたでしょうか?
ちなみに、僕らのように普段着として着物を着てみたいという方はこちらの本をおすすめします。
どうしても着物というと、堅苦しい世界を想像してしまうのですが、こちらの本ではもっと自由な着物の着こなし方や、心構えなんかが書いてあります。簡単に目次を紹介すると、「着物を着ていけない場所はないと考えよう」「値段が高い着物は買わない」「着物にまつわる都市伝説」などのコラムが、イラストや写真入りで丁寧に紹介されてます。帯の結び方や、着物の着方も解説されてるので、着物で旅行するときはこの本を1冊持ち歩けばばっちりでやんす!
それでは、次回は女性の栗毛ファン必見の女性編でお会いしましょう!