君と好きなウンコが500年続きますように
栗毛銀行員の武田です。
今日は名古屋市の中心部からやや東の本山駅にある「シマウマ書房」さんへ行ってきました。
ここは、「のらくろ」の単行本や、「ガロ」、「ユリイカ」のバックナンバー等々を平気で置いてあるアングラ臭漂う古本屋さんで、たまーにお邪魔させていただいているのですが、一冊ビビッと来て買ってきました。
これ。
「好きな女の子とデートに行くならクラシックの演奏会に行きたい。」という育ちの良い私にとっては、R.シュトラウスの交響詩にもなっているこの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は一度読んでみたかった一冊なのであります。
と、かなり真面目な気持ちで購入。
ハイソな街・本山でコーヒーを頂きながら古典文学と洒落込むべく、これまた素敵な喫茶店に入り、ブレンドコーヒーを注文。
カバンから颯爽とハードカバーの本を取り出し、読み始める私。今日は栗毛のことは忘れ、インテリ文学青年として一日を過ごそう、そう思ったのも束の間…この話、ウンコがやたら出てくる。
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は、15世紀ぐらいにドイツで書かれた物語で、内容としてはダーティーな一休さん、といった所でしょうか。
領主とか司祭さんとか、偉い人にいたずらやとんちを仕掛けて、「ティルの奴に一杯食わされたわい、ぐぬぬ~!」って言う感じの話なんですが、大体4回に1回はウンコで「ぐぬぬ~」と言わされてます。
まだ全体の5分の1位しか読んでないんですが、一番クレイジーだったのが、
ティル 「いくら司祭さんが偉くても教会の真ん中でウンコはできないでしょ?もしそんな事ができたらビールを1樽おごってあげるよ。」
司祭 「バカ言うな、ここは俺の教会だから何でもできるっつーの。ほれ。(ブリブリブリ~)」
ティル 「はい、教会の中でウンコはしたけど、正確に測ったらここは『教会の真ん中』じゃ無いもんねー。『真ん中』からは少しずれてるもんねー。」
司祭 「ぐぬぬ~!」
それでいいのか司祭。
こんなしょうもない話ばっかりの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」ですが、ティルが鼻に付くイヤーなインテリの博士をぐぬぬ~、と言わせた話では、心に響く一節がありました。
この博士、非常に真面目で頭もいいのですが、ティルの様な馬鹿ばっかりやっている人間とは一切関わろうとしません。そんな低俗な人間と関わると虫酸が走るわい、と言って、城の人気者だったティルを追い出そうとします。
そんな博士もティルのとんちにハマり、医者に化けたティルの言うとおりにしてベッドでウンコまみれになってしまいます。ここでもやはりウンコの刑です。
ぐぬぬ~、となっている博士に周りの人が行った言葉が、「これは身から出た錆というもの。…(中略)たとえどんな賢者だって、愚か者のことを知らなくていい法はありませんよ。もしどこにも愚か者がいなくなったとしたら、何で賢人と区別したらいいのですか。」
アホなことばかりやってる人を見下して、関わろうとしない頭のいい真面目君って、まあ実際いると思いますし、私もそんな気分になることもありますし…でも500年以上前からそんなことこそ愚かだよって言われてきてたんですね。
栗毛も30を目前にしながら集まると、「便器ですかーッ!?」、「痔・アルフィーの高見沢です。」等と言ってキャッキャしていますが、そんな栗毛を見下すと、ティル・オイレンシュピーゲルにウンコまみれにされてしまいますよ。