Sep 27, 2015

[#007]江戸屋がくれた出会い


ファースト江戸屋にてお盆休みという手痛い洗礼を受けた我々は、次なる江戸屋「江戸屋古美術」へと向かった。果たしてお盆シーズンに古美術屋が営業しているのだろうか…という不安を抱えたまま、広島へと戻る。この時点ですでに50㎞無駄足だ!

 

次の江戸屋は広島駅からすぐ近く。どうやら古い建物に複数古美術屋が入っている古美術マニアにはたまらないスポットのようだが、ほぼ全ての店のシャッターが閉まっている。

 

ま、お盆にこんなローカルなお店がやってるわけないよねー。と話しつつ、とりあえず江戸屋の写真だけでも…と思いお店の案内板を見るも、「江戸屋」の文字がない。1軒1軒看板を確認するも、やはり江戸屋はなく、栗毛の琴線に触れたのはなぜかシャッターの閉まった店先に置かれた「毛沢東」の表札だけであった。

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またも空振りか…と諦めかけた我々であったが、そこで一声。

 

「せっかくだからうちも見てってよ!」

 

声のする方を見ると、お盆シーズンに唯一開いていたお店からおばちゃんがこちらへ手招きをしている。

 

「古美術に興味があるの?でもみんなお盆休みで、お店開いてるのはうちだけなのよね。」

 

-…いや、実は僕たち日本全国の『江戸屋』さんを回っていて、ここにも江戸屋があるって調べてきたんですけど、何かご存じじゃないですか?

 

「あー、古美術目当てじゃないんだ、残念だねぇ。でも面白い事やってるわね。江戸屋さんは確かにここの2軒となりだったんだけど、今年の1月におじいちゃんが亡くなっちゃってね。それでもともとあったお店が江戸屋さんのところに引越しをして、ここが空いたから私たちも移ってきたってわけ。古美術屋がたくさん集まってて、その界隈じゃこの建物は有名なのよ。」

 

元々大分県の日田市でお店を開いたが、日本全国いろんなところを回ってきたこと、年数回東京の平和島(羽田空港に行く途中に通ってきた)で仕入れをしていること、最近はブログをはじめようと思ってipadを買って勉強していることetc…色々と話を聞かせてもらった。

お店の中を覗くと、ご主人とお客さんが碁を打っている。ゆっくりと時間が流れている、そんな雰囲気のお店だ。

せっかくなので徳利代わりに使おうと1000円の一輪挿しと500円のおちょこを買おうとすると、「せっかく東京から来てくれたんだし、全部で1,000円でいいよ!」とうれしいサービス。

 

既にお店は無くなっていたものの、江戸屋がくれたうれしい出会いに感謝しつつ、次の江戸屋を目指す我々であった。

日田屋のおかあさん、ちゃんとブログ書きましたよ。

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記事を書いた人
武田
武田
大人の事情により、しばらく栗毛経理部長。 学生時代から片鱗を見せていた仏教の才能が最近開花。栗毛とは関係ないプライベートの友人と京都旅行に行った際に阿弥陀如来の魅力を熱く語り、交友関係に心地の良い壁ができた。「お師匠言えるかな?」の作詞、某仏教アイドルのプロデュース等、ナウい仏教の振興に尽力している。

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