Dec 3, 2015

五泉での年越し、予期せぬ偶然性。

 

まだ年越しで消耗してないの?

 

 

毎度お騒がせしております、代表取乱役のカズキタです。

 

2014年の末から2015年の頭にかけて着物で全国を旅していた、秋田道中膝栗毛もいよいよ大詰め。大晦日に、田舎で消耗しまくっていた栗毛の様子をお伝えしたいと思います。

 


 

2014年12月31日、大晦日。

 

今年もついにこの日がやってきた。

 

思い返せば、栗毛が栗毛として年を越すのは今年で4回目である。
1回目は長野の梢乃雪、2回目はソウルの楽古斎、3回目は徳島の空音遊。どれも栗毛史上に名を残すほど困難な年越しであった。タイヤが雪にはまり抜け出すのに苦労してなんとか越すことができた年、年が越したのか越してないのか、誰もがわからないままモヤモヤと越していた-17℃の世界、カーナビの通りに進んでも狐につままれたかのように永遠にたどり着けない宿…。

 

はたして、今回はどんな困難が待ち受けているんだろうか?
不安と期待を胸に、深々と雪積もる中、泊まっていた梢乃雪を去る。

 

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今年は、年越しの場所を新潟県五泉市のゲストハウス「五ろり」に決めた。

 

 

新潟県五泉市別所1030番地

 

 

選んだ理由はただひとつ、最終目的地である秋田と長野の中間にある唯一の古民家ゲストハウスだからだ。栗毛は古民家ゲストハウスを中心に日本を回っているため、自分の意思では決して行こうと思ってない場所、それこそ予期せぬ偶然性によって泊まる場所が決まることが多々ある。

 

これも栗毛の旅のひとつの楽しみだ。

 

さあ、日本海に沿って新潟へと北上しよう。
と、その前にこの旅を一足先に離脱するよねすけを解放するため、白馬駅へ。白馬に少し早く着いたため、ちょうど名古屋から始発電車で来た武田を拾い、栗毛が大好きなカレーを食べに行く。

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ここのカレーはやたら量が多いが、その食べきれないという感覚がたまらないのだ。
美味しいか美味しくないかは二の次だ。そう言い聞かせて感覚を麻痺させる。

 

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白馬でよねすけを解放へ。
この旅でのよねすけは、栗毛史上もっとも可愛かったと巷では評判だ。
これぞオタサーの姫効果。恐るべし。

 

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この辺りでは普通のことかもしれないが、前日からずっと雪が降っていた。
特に小谷村から糸魚川市にかけては日本でも有数の豪雪地帯とだけあって、ご覧のように真っ白だった。

 

しかし、新潟県に入ってしばらくすると雪も落ち着き視界も良くなっていった。

 

カーナビによれば、どうやら滞りなく五泉市に着きそうだ。
などと思い出すと、いろいろと寄り道をしたくなるのが僕ら栗毛の定めだ。

地方で恒例の大型リサイクルショップが目に入ったため、迷わずに入店。
そこでCDやら楽器やらを買い込む栗毛たち。

 

みなさんに旅先での買い物のコツを伝授しよう。

 

必要なものを買うのではなく、直感に従って買うのだ。
それはおそらく必要なものではない、だからといって買わないのではなく、それを買って旅先で必要になる状況をつくればいい。
偶然を必然に変えることが栗毛の歩き方だ。

 

 

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みなさんご存知だろうか、BAKUを。
武田がCDコーナーから選んできたのだが、ネットで調べてみると90年台前半の原宿系・バンドブームの中心的存在だったらしい。

車の中で BAKUの曲を爆音で流したはずなのだが、そのフレーズが全く思い出せない。

 

 

そういえばThe Alfeeのアルバムも買ったっけ。

 

 

このアルバムに収録されている、Brave Love Galaxy Express 999は必聴。特に、英語で綴られた詩は、ボーカルの発音が素晴らしいため、英語の勉強入門としては最適な教材です。僕ですら、どういう歌詞を歌っているのかがびっくりするぐらい聞き取れた。

 

 

いよいよ新潟県に突入。そしてテンションが上がった、着物を着た男4人。
気づいたらプリクラボックスの中でポーズを決めていた。

 

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着物の男4人は強い。
何をやっても許されるのだ。
正確に言えば、周囲から許されてるのではなく、ただみんな関わりたくないだけなのかもしれない。
でもそんなことはどうでもいい、そこには希望という名のDream Stationがある。

 

Get up and Go, la la la… Galaxy Express 999…
Get up and Go, la la la… Galaxy Express 999…
Get up and Go, la la la… Galaxy Express 999…

 

うむ、我ながらいい発音だ。
なんて口ずさんでいる間に、五ろりに到着してしまった。

 

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雪が降っているため、そそくさと宿に駆け込む。

 

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とりあえず、落ち着こう。

 

さきほどリサイクルショップで買った大正琴をじゃがまるが弾きはじめる。

 

演奏もひとしきり飽きがきたところで、泊まりに来ていた他のゲストさんたちと温泉に行ったり、食事の準備をしたり。さあ、いよいよ大晦日に向けてラストスパート。

 

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乾杯。

 

ここで一旦、いまのゲストハウスの状況を整理しよう。

 

どうやら泊まりに来ていたゲストさんの1人は、ラジオしかないこの宿に自らテレビを持参して恒例の「紅白歌合戦」を見る手配を進めているようだった。ストーブと囲炉裏のある宿に、車の後部座席から運び込まれた大画面のテレビが突如現れる。

 

とにもかくにも、この宿はいま「紅白歌合戦がみたい」という空気が充満しているのだ。

 

しかし、その夢は無残にも叶うことはなかった。

 

なぜなら、テレビにつなぐアンテナケーブルの端子が接続不能だったのだ。

 

この家が、一瞬で暗黒のムードに包まれた。
このままでは年が越せないかもしれない、そんな不吉な予感すら脳裏をよぎった。

 

 

そんな一方で、ぼくら栗毛だ。

 

 

僕らは、そんなことを心配しつつもどちらかというと、先日手に入れた伝説のクソゲーコンボイの謎を解かなければならないことで頭がいっぱいだった。

 

 

僕らに託された、コンボイの謎。
今年中に、この謎を解かなかったらきっと来年も不幸な一年になるのだろう。
だから解かなければならないのだ、人類が試されているこの大きな謎を−。

 

しかし、僕らには大きな問題があったのだ。

 

コンボイの謎を映し出すテレビがないのだ。

 

ご存知の通り、コンボイの謎はファミコン専用ソフトでありプレイするにはファミコン、またはファミコンのようなもの、そしてテレビまたはテレビのようなものが必要なのだ。

僕らは、テレビはてっきり宿に常設されてると思ってたんです。
そしてこの宿にはテレビがなかったんです、つい1時間前までは。

 

さきほど、紅白が見れなかったことで放置されたテレビ。

 

これ、使いたい。

 

おそらく、この宿で紅白を観たい人とコンボイの謎を解きたい人を多数決で決めたとしたら、絶対にコンボイは負けるのだ。それもそのはず、コンボイの謎は紅白を観るよりも体力を消耗してしまう。せっかく田舎でゆっくりと年越しを臨んできているのに、なぜここで消耗しなければならないのか?そんな疑問が頭によぎるからだろう。

 

しかし、この状況では多数決を取るまでもなく、テレビは栗毛のものとなった。

 

そして僕らは年越しに向けてコンボイをプレイし始めた。

 

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が、すぐに飽きてしまった。

 

 

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なぜなら、コンボイの謎は難しすぎるのだ。
詳細の説明は省くが、プレイすれば5秒でお分かり頂けると思う。

 

年越しを前にコンボイを投げ出してしまった栗毛。

 

そんなファミコンに興味を持つ青年が1人いた。

 

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ポールだ。

 

ポールというのは、そうあのポール・マッカートニーを彷彿とさせるルックスで、この宿で出会った若いながらに野心を抱いている男のことだ。彼は、コンボイの謎をプレイするやいなや、コンボイ自体はすぐに飽きてしまったが、我々栗毛が用意した別なソフトをプレイし始めた。

 

コンボイの謎こそは解けなかったものの「テレビのないコンボイ」「紅白が映らないテレビ」という予期せぬ偶然性によって、今年もめでたく年を越せた。

 

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結局、ポールはゲームを朝までプレイしていたらしい。

 

栗毛もびっくりである。

 

翌朝、みんなで書き初めをしたよ。

 

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さて、今年一年どんなことが待っているのか。
そんなことはわからない。わからないから、今年も精一杯生きる必要があると思うのだ。

 

一方、滝沢が新潟のリサイクルショップで買った4000円のキーボードは、秋田のリサイクルショップで売ったら400円に。

 

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とほほ〜

記事を書いた人
カズキタ
カズキタ
伏線回収系男子。『梢乃雪』『江戸屋』でのトークイベント『くりばなし』、横浜のシェアハウスにて『井土ヶ谷夜窓』、全国のカズキを集結させた『カズキフェスティバル』など、を企画・主催し『自域活性化』なる活動を実行中。

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